はる

MINAMATAーミナマターのはるのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
5.0
水俣病についてはTVのドキュメンタリーで度々見聞きしていていました。この公開に先立って組まれた特番も見たことがあります。
鑑賞後に改めてそれらの映像を見返して、ずいぶん考え込んでいます。

ラストシーンの写真は余りにも有名になりすぎて、ご家族をはじめ他の患者さんにも、偏見や差別が強くなったようです。

最近でも、水俣と他の地区の子どもたちの間でトラブルが起こり、学校側が謝罪していました。
正しい教育が行われていなかったと言う事で、生徒や保護者のために学び直す機会を持ったそうです。


今日は、ジョニー・デップが日本の水俣病をどんな形で世界に発信しているのか、それが知りたくて観てきました。

水俣をはじめ、世界中で人が起こした公害を伝える形で終わっていましたが、水俣病を紹介するならこれでは足りない。
私はそれよりも、写真が持つ力、被写体側の覚悟や、見る側の責任というものを感じました。

写真集「MINAMATA」にある命の美しさを観たという印象です。
日本の俳優陣も素晴らしく、坂本龍一の音楽にも泣かされました。

ユージン・スミスさんが気にしていた「患者たちを傷つけてはいないか?」という心配事に寄り添う形の作品だったという印象です。敬意を持ってあの写真を紹介してくれた事に拍手を送りたいです。
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