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唐人街探偵 東京 MISSIONのmaroのレビュー・感想・評価

唐人街探偵 東京 MISSION(2020年製作の映画)
3.5
2021年日本公開映画で面白かった順位:84/137
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

中国パワー恐るべしな映画。
これ、本国じゃものすごくヒットしているらしく。
公開初日で164億円、公開4日間で490億円の興行収入を稼ぎ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の持つ全世界オープニング興行収入1位の記録を抜いてるのよ。
『鬼滅の刃』が半年以上かけて400億円超えたのがかわいく思える(笑)

この映画、シリーズとしては3作品目だけど、過去2作については日本劇場未公開。
かつ、DVDや配信でもなかったから、今のところ観る術がないっぽい。

なのに、この『3』だけが日本で緊急公開されたのは、やはり日本人のキャストが多いからだろうな。
妻夫木聡、長澤まさみ、三浦友和、浅野忠信、染谷将太、鈴木保奈美とベテラン勢が顔をそろえる中、よく見ると、橋本マナミ、長井短、六平直政、酒向芳、奥田瑛二なども出てたりする。

内容としては、ノリと勢いで突っ走ったエンタメ性の高い作品で、とにかくハチャメチャにワチャワチャするザ・中国映画という感じ。

ヤクザの組長の冤罪証明という探偵モノがベースではあるけれど、コメディ調な雰囲気の中に、アクション、コスプレ、大乱闘、となんでもアリな内容。
渋谷(は足利にあるセットだけど)、新宿、秋葉原と、東京を舞台に大暴れしていく流れは、邦画じゃお目にかかれない勢いがあった。
エキストラの数も尋常じゃないほど多くて、まさに札束の暴力っていうぐらい金をかけまくってる感じが、ある意味清々しくて僕は好きだった(笑)

でも、海外から見た日本の印象ってやっぱりそうなんだなって思うんだけど、結局は、ヤクザ、忍者、コスプレっていうね。
特に、秋葉原でのコスプレシーンは笑うよ。
まさか、そのキャラを出してくるとはね。
監督(1978年生まれ)のド世代だなっていうキャラ(笑)

あと、これは海外の映画全般に言えることではあるけど、よく言えばスピーディー、悪く言えば都合がいいっていう展開。
今回メインで活動するタン・レンとチン・フォン、野田、ジャックは国籍と話す言語がバラバラだけど、自動翻訳機のおかげで、みんな発する言語が違っても意思疎通ができる便利さ(笑)

何の苦労もなく、杏奈を誘拐した犯人とアジトが秒でわかる捜査能力の高さ。

3億円必要になったとき、そこで初めて野田が御曹司っていう設定がわかって、即用意できるという手際のよさ。

他にも「なんでそれができるの?」、「なんでそこにいるの?」という唐突さが多くて、テンポよく進むけど、頭には?マークがいっぱいみたいなことはよくあった。
その分、邦画ってシーンとシーンのつながりが丁寧だよねってことに気づかされたりしたけど。

なので、この映画、いろいろすっ飛ばしてるから、あのワチャワチャしたノリと勢いを楽しみたいならいいけど、“探偵モノ”ってところに引っ張られると、その荒さがやや気になるかも。
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