あさのひかり

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へのあさのひかりのレビュー・感想・評価

4.4
なんとなく気になっていたネットフリックスの「12年の長い夜」を観て以来、今年はホセ・ムヒカに関する映画を3本も観た。なんとなくから始まった映画で、いろんな事を彼を通して学んだ一年だった。

この映画、ドキュメンタリーの作り自体は日本のテレビによくある感じだと思うけど、あまりにホセ・ムヒカの言葉が重くて真実で、その言葉を受け止めることだけで、とてもとても価値のある映画だった。

日本向きに作られているので、日本という国への思いはたくさん語られているけれど、中からだと気付きにくい、日本という国への理解があまりに的を得ている。そして短いものだったであろう日本滞在で、その理解がより深くなっているのにも驚く。彼が感じている日本という国の危機は、日本人みんなに聞いて欲しい言葉。

そして、日本の若者へ向けた講演、いろんな苦難を乗り越えながら、自分の意志を貫いて生きてきた人だからこその重みと説得力・・・彼の語る人生観に、こんなに勇気付けられ心打たれると思ってなかったし、まさか涙ぐんでしまうとは思ってなかった。彼の言葉をあの講演で全て聴いた学生さんがとてもうらやましい、とても貴重な講演だったと思う。ということで、私としてはいろんな意味でみんなに観て欲しいと思う映画。
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