ぶんぶん

モロッコ、彼女たちの朝のぶんぶんのネタバレレビュー・内容・結末

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

モロッコ…
とにかく女に人権がない…

妊娠した未婚の女性が苦労する話。
これは日本も変わらない。

モロッコの実情に疎い自分は
サミアが子供を養子に出すとガン決めしてるのが
ちょっと理解出来なかった。

とにかく妊婦なんだから
ホームレスをやめて実家に帰って
両親に全て話すしかない。
美容師という手に職もあるし
何よりパン作りも上手で器用だから
アブラみたいに
シングルマザーでもやって行けんじゃね?

ネットでモロッコを知り驚愕!

婚外交渉や中絶は違法!!!

未婚で出産すると逮捕される事も…
匿う者も罰せられるという…
非嫡出子の子には出生証明書が取れない…

未婚の母親もその子供も差別されるという恐怖!
相手の男はなぜか逮捕されないという差別。
どういう理屈なのよ!!!

産んだ後はバレないように
子供をどこかへ置き去るしかない
とにかく良い夫婦に引き取られるのを願うだけ

これも説明不足で理解できなかった…
女は葬式や埋葬にも参列出来ない。

そんな国あるの? 嘘でしょ…

監督も父親の葬儀には出れなかったそうだ。
ほんとに?本当に⁉︎そうなんだーーーーー!

こういったのを知ると
アブラとサミアの悲しげな表情を理解出来る

監督が大学生時代に実家で経験した
実話を元にしたフィクション
サミアの様に見知らぬ女がやって来て
出産まで自宅に匿ったそうだ…

夫を亡くし
パン屋を営むシングルマザーのアブラ
出先の事故で最愛の夫が亡くなり
顔を一目見ることも叶わぬまま埋葬された。
感情を失い大好きだった歌も聴くのを辞め
立ち直る事が出来ていない。

そこへお腹の大きいサミアが
仕事を求めてやって来る

彼女は未婚で妊娠してしまい
美容師の職も住んでた家も失いホームレス

アブラもシングルマザーで社会的に立場が弱い
サミアが気になり家に招き入れる
近所には親戚と嘘をついて

パン作りが得意なサミア
作ったパンは好評だし娘も懐いて
アブラも気持ちが前向きに…
このまま一緒に暮らせればいいのにね。

祭りの日サミアは出産する
産後は冷淡に
子供を見ようともせず世話を嫌がる

サミアの子供の父親の事は語られてない
なんで母親だけ
こんな辛い思いをしないといけないのか?

見知らぬ女がサミアに向かって
ふしだら女と罵倒していた。
違法でも未婚の妊婦は少なくないモロッコ…
以前サミアが街を彷徨って
仕事探ししていたのを知っていたのだろう。

この女は自分の娘や友人がレ○プされても
ふしだら女と罵倒するのか?

妊娠しても中絶は違法で出来ないから
女は妊娠したら逃げられない。

なによりサミアの事を
何ひとつ知らないのにと悲しくなる。
同じ弱い立場の女同士なのに…

サミアは愛おしそうに赤ん坊にキスをする
小さい手や足にも
一緒に施設に行こうとアブラは言ってくれたが
サミアは夜明けにこっそり家を出て行く…

アルバトロスなのに
重たい話でちょっと凹む…

お腹がせり出す=男の子!
日本とモロッコも性別の見分け方共通!
ぶんぶん

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