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MOTHER マザーのayaのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
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終始辛くて苦しい内容だった。
第三者の私たち傍観者は、酷い親だね、でも親の事はやっぱり好きなんだね。って言うだけは簡単だけど。周平の世界の全てはたった一つしかなくて、ただの母親との共依存なんかで済ませられる話じゃ無くて。幼い周平が殴られる秋子を庇うシーンで、ああ彼はお母さんのこと、こんなにも思ってるのになって苦しくなる。

子を生んだから自然と母親になるなんて事はあり得なくて、生んだ責任を感じるから親に成れるのに、そこが芽生える間も無く男性へ縋ってしまう母の弱さと対照的に
少し成長して妹ができた彼は、母と妹への責任感が芽生えてて。頼もしいとすら思えてしまう。

でも母親がどうして働かないのなんて問いは簡単に解けて、働かないのが楽だし責任を取らなくて済むし、困れば人にお金を出してもらうって考えが煮詰まって、歳を重ねていくと引き返せなくなって。世の中に救いの手なんて中々落ちてなくて。

忘れちゃいけないのは、変わらない人は一生変わらないし、リアルな世の中はそんなに綺麗なことばかりじゃないってこと。
私もきっと、自分の中から生まれてくる子どもが自分と別の人格を持つ別人だってことがきっと不思議でしょうがないだろうし、 辛いことがあれば自分から絶対的に離れない存在だと我が子に縋ると思う。
確実な救いになるのは、自分が常識を持って、当たり前のレベルを一般的に持てていること。そうなれた事を親へ感謝するべきだし、自分もそこを与えられる親にならないといけない。
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