ほいほい

ドリーム・ホースのほいほいのレビュー・感想・評価

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)
4.1
競走馬を育てる素人集団の話っていうだけで、話の筋はもう見えちゃうじゃないですか。困難があって、馬が頑張って、みんなで感動するやつでしょ?って。でもね、この映画、ただの「馬で夢を叶える話」ではないのですよ。「夢を追う」ってどういうことか、その裏側のリアルな部分もしっかり描いてる。そこがとても面白い。

舞台はイギリスのウェールズの田舎町。正直言って、ここが最高。仕事は単調だし、日常はパッとしないし、「どうせこのまま老後まで同じ生活だろうな」みたいな空気感が漂ってる。でも、そんな町で一人の主婦が突然「馬を育ててレースに出そう!」って言い出すわけですよ。普通なら「いや無理でしょ」って終わる話なんだけど、この映画の面白いところは、そこに町のみんなが乗っかるってとこなんですよね。

しかも、みんな最初は「マジで?」みたいな顔してるんだけど、馬が成長していくにつれて、町全体がどんどん活気づいていく。その感じがめちゃくちゃリアルで、「ああ、こうやって夢って広がるんだな」って思わせてくれる。

一番熱いのは、実は人間ドラマなんです。特に主人公の女性の「平凡な人生から抜け出したい!」っていう思いがめちゃくちゃ刺さる。

彼女が馬を育てることで、人生に再び情熱を見つけていく。この過程が本当に丁寧に描かれてて、「あぁ、これって単なる馬の話じゃなくて、人生そのものの話なんだな」って気付かされるわけです。


競走馬映画の醍醐味と言えば、やっぱりレースシーンじゃないですか。ここがまた上手いんですよ。実際のレース映像を見てるみたいなリアルさがあるのに、ドラマとしての熱量もちゃんと感じる。
競馬の世界って、やっぱり「華やかさ」の裏に「金」の匂いがあるわけじゃないですか。映画もそこをちゃんと描いてるんですよ。「夢を追うにはお金がいる」っていう現実。町の人たちが出資金をどうするかで悩むシーンなんか、正直めちゃくちゃリアルで、「夢って、こんな簡単じゃないんだよな」って思わされる。

「夢を追うことの痛み」や「平凡な生活の中で見つける希望」とか、いろんな要素が詰まってる映画です。

でもって、この映画のエンドロールがかわいくて好き。おすすめ。
ほいほい

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