kochab

フォーリング 50年間の想い出のkochabのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

筆者は映画「グリーンブック」で意識し始めたヴィゴ・モーテンセン。その彼が主演の他監督も務めたと聞いた本作。早速映画館へと行ってきました。

認知症を患い始めた父を息子が引き取る~、というところから始まりますが、主人公の子供時代(=父母が結婚して間もない頃)から妹ができて、そして父母離婚。父は再婚し~、とその家族の系譜的なところを現代と行ったり来たりしながら話が進んでいきますね。

現代であっても過去であっても父は家ではいわゆる(日本的に言うなら)家長としてものを言い、例えそれが現代に於いては「差別的」と言われてもお構いなし。ただ、ある種リベラルとは遠い立ち位置にいる田舎の保守的な~、という父親像をある意味意識して作っているのかもしれません。

そこを考える、父の思いがラストの方に出てきた「過干渉」という事なのかと。あ、確かにこの言葉はこの父親にしてしっくりくる言葉なのかもしれません。かなり強がり。でも本当は誰よりも相手にしてほしい、という事の裏返しなのかもしれません。

父の父がそうだったように、でも現代ではこう言ってはアウト、だからこそ「古めかしい」という事も言える、そういったところをも狙っていたのかな~、と。

そこを主人公たるヴィゴ・モーテンセンと老いた父親ランス・ヘンリクセンがいい組み合わせでじっくり大人の映画、というところかと。筆者もこの主人公と近い世代まできましたし、最近父が特に老いてきたな~、と思うのである意味こうなるのかな~、私も、と言う面でも考えながら映画を観ておりました。
kochab

kochab