Sasada

ナイトメア・アリーのSasadaのレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
4.2
いやー素晴らしい。とても面白かったです。

まずもってお話以前に画面に映る全てが美しい。
前半パートの見せ物小屋の雑然としたリアリティと、後半パートの上流階級が集うアールデコ風建築のリッチな佇まい。
ケイトブランシェット、ルーニーマーラ、トニコレットが纏うシックでゴージャスな衣装。
そのほかの俳優たちの演技も音楽も美術も、それを観るだけで1900円の価値があります。

150分と長めだけれど感じさせないストーリーは、良い意味でギレルモ監督らしくないサスペンススリラー。

他者を消費し金を儲けるグロテスクな見せ物小屋
親を殺して自らを生かすモチーフ「エノク」とスタンの相似性。(酒/ホルマリンに溺れている点も似てる)
死と罪のイメージとしての酒と炎

トニコレット演じるジーナがスタンを拾い、ルーニーマーラ演じるモリーの献身で成功が転がり、ケイトブランシェット演じるリリスによって瓦解する。
翻弄された彼の人生はウィレムデフォー演じるクレムのもとに(当初とは違う形で)戻ってくる。

シンプルに「面白い」のだけど、見どころはたくさんあるので複数回観るのもいいなーと。
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