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ナイトメア・アリーのものレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.5
ギレルモ・デル・トロ監督の世界観、闇感漂うサーカスのセットが最高です。迷い込んだら最後、気づいたら見世物にされてそう…笑

スタンの成り上がりからの、清々しいまでの転落ぶりが、恐ろしくもあり滑稽でもありました。
更なる成功を勝ち取る為、女を利用したと思ったら…女の、深い情念には敵わなかった、といった所なんでしょうか。
リリスの方がずっと強かで、見世物小屋にいた蜘蛛女のように、自分の真の目的を遂げる為に2重、3重…にも罠を仕掛け、怪しい色香で引き込んでいた…

終盤の、獣人にまでなってしまったスタンの姿が、なんとも皮肉めいていてやるせない。我欲をかきすぎると落とし穴が待ってるよ、というメッセージなのでしょうかね。でもいっときの悪夢でも、一生分の高揚感、全能感を味わえた彼は、残りの人生においても、その甘美な記憶を咀嚼して生きていけるのかも。と思えば、何もなかった人生より、もしかしたら幸せなのかも。
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