シネラー

マーベルズのシネラーのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
3.0
MCU最新作であり、
『キャプテン・マーベル』の
続編でもある本作を劇場鑑賞。
三人の女性ヒーロー達が織り成す
楽しさや面白さはありつつも、
劇場を後にする頃には
映画そのものの余韻が薄い映画だった。

物語としては、
キャプテン・マーベルこと
キャロル・ダンバースに
ミズ・マーベルことカマラ・カーンと
モニカ・ランボーの三人の身に
互いが入れ替わる現象が起き、
それに関わる脅威に三人が
ヒーローチーム"マーベルズ"を結成する
内容となっているが、
三者三様なヒーロー達の掛け合いや
そのキャラらしいアクションは楽しかった。
その中でもキャロルのファンでもある
カマラのティーンエイジャーらしい
天真爛漫さが良かった。
そのカマラの家族の反応も
良いコメディ要素だった。
三人が入れ替わりながら
アクションする場面が序盤から描かれ、
そこは激しくもコメディ的で好きな部分だった。
コメディで言えば、
終盤でのグースの場面がBGMと相まって
楽しい場面だった。

しかしながら、物語展開が
行き当たりばったりな印象があり、
キャロルの動向で自体が悪化している
のは事実だと思った。
又、本来なら深みを持たせられた筈の
キャロルとモニカの再会や
虐殺者と言われるキャロルの描写は、
淡々と端的に描かないで欲しかった。
一応ドラマシリーズを視聴しなくても
モニカやカマラのキャラは
最低限理解できるようになっているが、
それでも設定の説明は大雑把で
一見さんお断りだとは思った。
本作のヴィランに関しても、
動機は理解できるのに反して言動が
共感もできなければ薄味なヴィランで
全体的に残念だった。
加えて、
終盤にかけてのグースの場面は
確かに面白いが、
唐突に集団で猫が登場したのは
ご都合感が強いと思った。
そして、ミッドクレジットシーン
に関しては、当然として今後の展開に
期待してしまう気持ちはあるが、
結局は豪華なカメオ出演頼りなのかと
嬉しさよりも映画としての作品の質が
低下していると感じざるを得なかった。

ドラマシリーズからの映画での合流で
かなりファン映画でしかない
コンテンツになっていると思うが、
ここからヤングアベンジャーズ結成や
過去のMARVEL映画との合流となっても
フェイズ3までの勢いは戻らないと
感じる気持ちになった。
MCU作品としての次回作は
来年の『デッドプール3』となるが、
もう全作品を網羅しないで好きなキャラ
を追いかけるだけで良いように思えてきた。
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