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無頼のyaaaのレビュー・感想・評価

無頼(2020年製作の映画)
4.0
ヤクザ映画で昭和史。
画面は兎に角、豊かで贅沢。違和感なく再現される昭和感の美術はさりげないけど凄いと思う。それに出てくるヤクザさん達の顔、佇まいなんかホンモノに近いんだろうなとワクワクする。「パッチギ」で初めて見た時の真木よう子さんや江口のりこさんの「誰よ!この役者さんは!」の驚嘆は健在。小指がないのがアップにならずさりげないCGでさらっと描写されてるのも贅沢。突然の暴力もスマートでなく「おりゃー」のドタバタ慌てふためくのも生々しい。
主役の後藤忠政(あっ!そんな役名では無かった)の松本利夫さんのEXILEってヤカラやろのと配役もはまってる。
もう画面はジューシーでぎとぎとな井筒節炸裂で楽しい。
が、フェードアウトで綴られるエピソードが面白いのか面白くないのかよくわからない。おじいさんの語るすべらない話みたいで、自分の人生の含蓄が足りないから響かないんだろうなと悔しくなる。
小説や漫画を寝ずに読み進める時の次はどうなる?のページをめくる力が入らないというか、風に吹かれてフワァと自然めくれる感じ。
モノマネの御本人登場みたいに忖度してる感が抜けないのは仕方ないか…
でもこの「いびつさ」も唯一無二でめったに観れない。
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