この映画のテスラ解釈は時代に足並みを合わせられなくて一人で先を行き過ぎてしまったがために誰にも(でもないが)理解されなかったASD気質の人というものなのでゴダール風の実験的な演出が大いに不評というのがちょっと切なくもテスラのなんたるかを雄弁に物語っていて素晴らしい。作り手の方は不評で嬉しいということもないだろうが、テスラも生前はきっとこんな風に世間から見られていたんじゃないか、と感じさせればテスラの伝記映画としては成功だろう。
あと終盤で失意のテスラが急にカラオケでド下手なルール・ザ・ワールドを歌い出すシーンの意味がわからない人はこの曲の和訳歌詞を読んでみるとよいと思います。グッとくるよ。