サラリーマン岡崎

ファーザーのサラリーマン岡崎のネタバレレビュー・内容・結末

ファーザー(2020年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

認知症についてはなんとなくの知識しかなかった。
物忘れが多くなることは知っていたが、時制が歪んだり、人が全然違う人として捉えてしまったりするのだとはこの映画を観るまで知らなかった。
祖父が少し認知症気味だが、僕の名前を思い出せなかったりするときもあり、
その時は少なからずショックだったりする。
けど、それ以上に祖父の方が戸惑いがあるんだと思う。
記憶が曖昧になることにも戸惑うし、そう忘れてしまう自分を受け入れることもなかなかできないと思う。
それに対して、僕も何か支えてあげなきゃと思うこともある。

自分の家族が認知症になった時、僕はどうするのだろうか。
こうやって苦しんでいる姿を見て、責任は少なからず感じるとは思うし、
でも、他の人のためにもそうだし、認知症になった家族にとっても、
僕がずっと介護することもいいことなのかとこの映画を観て思う。
認知症の人が家族の中で過ごすと、それはそれで混乱が起きることが多くなるかもしれない。
環境を変えることで、整理がつくこともあるかもしれない。
施設に預けるのはもちろん負い目はある。
しかし、それが認知症の人にとっては良いことかもしれない。
施設に預けることをプラスに捉えられるラストではあった。

でも、いざ自分がその立場になったときは、きっと迷うんだと思う。