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ファーザーの教授のレビュー・感想・評価

ファーザー(2020年製作の映画)
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「茜色に焼かれる」を先に観て、号泣しまくって体力を全部奪われたので、あまりちゃんと観ることができていないのが残念。

本作は巷で言われているように、完全に「ホラー映画」になっている。
その「ホラー映画」という表現で全て言い表せてもいるような気がする。
(体調が万全であれば)とにかく全編怖い。

しっかりと意識され、構築された画面設計。「フラット」と呼称される住居空間がアカデミー賞主演男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンスの名演以上に主役然としている。
一見舞台劇的な作劇だが、特定の空間の生むサスペンスの妙と、アカデミー賞クラスの名演。
入れ替わり立ち替わる俳優たちの目まぐるしさで地味な展開も緊張が途切れない。

何より主題となる「認知症」は誰もが避けて通れない「明日は我が身」の問題という逃げ場のない現実を突きつけてくることが一番の恐怖として印象づけられる。
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