"すべての葉を失っていくようだ。"
"もう身を横たえる場所さえわからない。"
時間、人、場所。
すべての認知が歪んで、継ぎ接ぎの世界を生きるおじいちゃんの追体験。
うちのじいちゃんも認知症だったので、重なって辛くなる部分すごく多かったけれど、本人側の視点は考えたことなかった。
認知症患者の側から見ると、今まで生きてきた世界がこんなにもにもサイコホラーな世界に変わってしまっていたのですね…!
急に知らない人が目の前にいる。
気づけば知らない場所にいる。
同じ時間が何度も繰り返す。
本人からすると、自分はちゃんとしているのにただただ周りの世界がおかしくなっていく感覚だったのか。
認知症で怒りっぽくなってしまうけれど、それは性格が変わってしまっているわけではなくて、周りの世界がそうさせてしまっているだけ。
あんな世界に急に放り込まれたら正気を保てる自信がありません…。
そして、周りがおかしいのではなくて、自分がおかしいと気づいてしまった時、自分という存在が音を立てて崩れ去っていく…
ラストはもうやるせなくて、胸が締め付けられた…
家に愛着あって施設に入りたくなかったり、外面は良く振る舞ったりと、うちのじいちゃんも知的でユーモアのある人だったからすごくアンソニーと重なりました。
母に見てもらおうかしら。🤔