ShojiIkura

ファーザーのShojiIkuraのレビュー・感想・評価

ファーザー(2020年製作の映画)
3.7
 最初から最後までずっと違和感だらけの映像が続く。何度も、これは父側の視点なのか?と仮定するが、それでも腑に落ちない話が混ざる。時に父は、娘の妹にそっくりだという介護士に気難しい感情をぶつけたりする。娘は娘で見た目も変化する。娘の妹は最後までどうなったのかわからない。父のルーティンの音楽や絵画がいつの間にか失われていく一方で逆に変化せず無限ループのように繰り返される、チキンの食事や朝のお茶、腕時計と時間の確認、…。
 この気持ち悪い世界は、スティーブン・キングのホラー、サスペンスの世界に近い。もちろん解釈の一つだと思うが、これが認知症の人の認識だとしたら、誰にも理解されないとんでもない孤独に閉じ込められていると思った。
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