ちょこ

キネマの神様のちょこのレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
4.6
今年17本目
思いがけず2連続菅田将暉になった。笑

上演時点ですごく気になっていた作品。当時時間が合わずじまいだったのをやっと観ました。

すごく良かった。
元々永野芽郁、菅田将暉、北川景子の3人が全員大好きな俳優さんだったから嬉しかったし期待値も高かったんですが、やっぱり良かった。

芽郁ちゃん可愛いし北川景子綺麗だし、だーすーカッコイイし。まずは眼福。だーすーやっぱ短髪が死ぬほどいいな。

『キネマの神様』が届けた贈り物のお話。若かりし日のゴウちゃんが食堂でシナリオを語るシーンと、時を超えて78歳で受賞して映画館の常連達に称えられるシーンが重なった時涙が溢れた。

受賞式で娘に託した手紙もずるい。あんなん泣く。
ゴウちゃんは結局、最初から最後まで「淑子はテラシンと一緒になるべきだった」って言ってた。きっとそれは本当に本心で、淑子に幸せになって欲しかったから自分とはダメだと思ってた。
根っから自分に自信が無い人なんだなと思った。孫と脚本を書き直している時もそう、ダメ出しされたりアドバイスされると『そっちにしよう』になる。淑子の言う通り、本当は繊細。だからこそ監督は向いてなかったかもしれない。特に昔に新しい発想を実現しようとしたら意志の強さとか心の図太さが特に必要になりそうだし‬、、
現代のダメダメな部分のゴウは救いようのないどうしようもないジジィって感じが強いけど、実はとても優しくて気の小さい人で、心から淑子を愛している。
淑子は幸せだったと思う。苦労の方が多かったと思うし大変な人生だったと思うけど、少なくとも私にはそう見えましたよ。

ゴウとテラシンの関係性もめちゃくちゃ良かった。お互い尊敬し合ってて、淑子のことで縁が切れたりなんかしない。
最初に手紙を書けって言った時、本当は淑子の事が好きなのに本心を抑えてテラシンの背中を押す姿にグッときた。心から幸せになって欲しかったし、それが自分とじゃダメだと思ってたからこその精一杯の引きだったんだよね。愛だよ。
でも淑子に「バカ、鈍感」って言われたあと抱き締めちゃうのキュンキュンだった…キュンというかギュンだった。

最期、園子がゴウを連れて行っちゃうの、淑子目線で見たらちょっと嫉妬でしたけど、きっと皆にとってあの終わり方が1番良かったんだろうな。あのスクリーンから出てくる演出を最後の最後で持ってくるのもずるいですよね、ベタだけど、泣ける。ゴウにだけ見えたあのシーン。
ゴウちゃん、ゆっくり休んでね、と言いたくなってしまう。

あぁでもダメだ、やっぱり、志村けんで観たかったというのはありますね。。東村山で号泣してしまった。もちろん沢田研二が駄目だとかそんなのでは毛頭なく。
志村けんだった、というのを知ってるからこそ、けんさんのゴウだったらまた全然違っただろうなと思ってしまうのが辛くて。
ご冥福をお祈りします。
良い映画でした。
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