珍北斎

わたしは金正男を殺してないの珍北斎のレビュー・感想・評価

3.9
これはスゴい。
あの金正男の事件の「犯人」(という言葉をここではあえて使う)のふたりを通して、当時のメディアや弁護士、家族や本人の証言をもとにひも解く作品。展開やテンポもよくだれることなく最後までいっきに見れてしまう。
最終的に彼女たちは釈放されたものの、作中でも述べられていたが、北朝鮮側の人間は誰ひとり捕まっていないし罰せられていない。何なら帰国した彼らは本国で英雄扱いされているだろう。結局ひとりの命とふたりの女のコを「殺人者」にし彼女らの時間を奪ったのみで、全く何も解決していないことに怒り、虚しさ、恐怖を感じる。
本筋と関係ないが、音楽が大きいのが気になった。変に煽ってる感出てしまうので大袈裟にする必要なかったと思う。
映画やドラマのような現実があり、それがわれわれの近くの国であることにゾッとし、恐怖を覚えた。
またポスターはこのFilmarksのものより、DVDのものの方がイカつくドキっとする。
珍北斎

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