「復興の意味、みんな分かってないんでしょ」
いついかなる時でも必ず春はやってくる。世の中、絶対と呼べるものは少ないけど、それは絶対だ。
震災の年も
復興の年も
感染症の年も
必ず春はやってきて、花を咲かす。あの人災とも呼んでいい悲劇から数年経っても人々はまだ苦しんでいる。
だが、そこには命が誕生し街は少しずつ蘇ってきている。
春は必ずやってくる。
復興という言葉は終わりがない。
歴史が続くかぎり。
これは悲劇を語るドキュメンタリーではなくそこに芽生えた新しい命(春)を描いてる。新しい命(学生による演劇)を描いている。
決して悲しいお話ではない。
編集点(繋ぎ)がやや雑に見えるものの、それらはまるでオペラのようにバラバラなものが集約していく。春の日差しと希望は野焼きの炎となり餅を焼く。
赤ちゃんも学生もまた、春を迎え成長していく。
仮設の映画館という新しい取り組みで、仮設住宅に生き仮設の復興に身を寄せる人たちを観るというのは心に来るものがある。
仮設の映画館で一発目にやるのがこの作品、という意味を噛み締めたい。