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アンダードッグ 前編のTAKEZOHのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)
4.5
煉獄に生きる救われない男たちの魂の遠吠えに刮目せよ!!!
『ロッキー』『クリード』のような実写作品は日本では観られないと思っていた……
しかも前後編の映画なんてどうかしてる……こんなマイナスのイメージから入ったにもかかわらず、この作品の内容は勝ちにいっているッ!?
舞台はスカイツリーの見える場末の街で、
タイトル戦に挑みあと一歩で夢破れ今はデリヘル孃の運転手しながら噛ませ犬として生きるボクサーと、
親に捨てられ施設で育った元不良の才能あふれるボクサー、
TV企画でボクサーになった父親が大物芸能人の2世タレント……
この三者三様の人間模様が交わり、それぞれの“やらなければいけない”理由が物語を盛り上げ勝敗を越えたファイトをみせてくれる!!
確かにロッキーのように一度与えられたチャンスを掴むのはカッコいいが、それを掴めなかった人間がいるというのが勝負の世界、世の中の常でもあり、
あしたのジョーのように真っ白になるまで燃え尽きる散り様も物語としていいだろう……しかし愚直にもなれないただ無様に散って無為に日常を過ごしていく様に共感できないといえるだろうか? と、三人の熱戦とともに己に試されているようだった。
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