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佐々木、イン、マイマインのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

好きではなかった。このストーリーなら、視点は主人公に固定してほしい。主人公の佐々木に対する憐憫や友情を見せたいなら、ちょこちょこ入る佐々木視点のエピソードは絶対に無い方が良い。それか終盤にまとめて1回だけ挟むとか。

佐々木はお調子者で明るくてダメな奴なのだが実は悲しみと諦めを抱えている男だ、というストーリーにしたいのだろうが、この脚本では描き方が非常に中途半端。最初からずっと佐々木は無理して明るく振る舞っているようにしか見えないし、ただただ痛々しくて見ていられない。というか周りに煽られて教室で全裸になる奴というだけで「なんか高校の頃ヤバい奴がいた」とはならないと思うのだが。もっとぶっ飛んだ話をいくつも出してくれよ。ただの痛々しいいじられキャラじゃん。アフロヘアで個性を出したような雰囲気を出しているが、あれ普通の髪型だったら全く目立たない奴だった気すらするが。

主人公側のエピソードも薄く、常にちょっと自己陶酔・自己憐憫感があり、ちっとも感情移入は出来ない。あと主人公を演じた藤原季節があまり演技が上手くないなぁと思ってしまった。台詞回しとか。肝心の佐々木役もやっぱり上手くない。

総じてキャラクターに全く魅力がないため、観ていてかなりしんどかった。会話も非常に不自然で、セリフであることが見え見え。音楽の使い方も品が無い。佐々木が死ぬ、という、それ以外無い平凡な落とし方にもガッカリ。それならいっそ冒頭から葬式でも見せた方がよほど良いと思うが。
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