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グッバイ、レーニン!のsoumaのレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
4.0
『現実には存在しなかった国で、僕はいつでも思い出の母に出会える』

題名からして、てっきりロシアが舞台なのかと。
観賞を始めると
舞台はロシアでもなく
1900年代前半でもない。
テーマは社会主義への思想的な作品なのかと思ってた。
鑑賞前に想像していた作品とは
かなり違ってたけど
いい意味で裏切られてよかった。

あらすじ
舞台は1989年にベルリンの壁が崩壊した西ドイツ。
社会主義どっぷりの母親と子供2人の家族の物語。
壁が壊れ、東西ドイツが統合した怒涛の時代に
心臓発作で意識不明で倒れていた母。
資本主義がかなり進んだあと
母親の意識が戻ったが
記憶の混乱が残っており
世の中のあまりの変化をいきなり伝えるのは母に負担になると
偽りの西ドイツを演じ続けことを決めるアレックス。


設定はかなり違うけど
母親のために家族で嘘をつくという設定が
最近観た「鈴木家の嘘」に近いものを感じた。

テーマは親孝行。
やり場のないエネルギーを政府にぶつけていくのかと思っていたぶん
とても愛のある作品内容にほっこりとした。
でも、母にいつまで嘘をつき続けるのか
いつ本当のことを明かすのかなど
見応えもある。
彼女の
『嘘だったら、何を言ってもいいの?』
ってセリフはちょっとグサッとくるものがあったね。



自分は母のためにここまでできるのかなとか
レベル感はもっと低いけど
年末に親孝行したいななんて思ったり。。
親孝行もやりたいと思っても
生きてないとできないんだよね。

作中に
「2001年宇宙の旅」
「時計じかけのオレンジ」のオマージュが入ってたね。
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