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逃げた女のslvのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
3.7
ホン・サンス作品はけっこう観てるから、この独特の作風には慣れてはいるけど、それでも今回はなかなかに読み解くのが難しいというか、なんというか…

オチは?ってなってしまった(笑)

まぁ、今回はそこがポイントなんだろう…

タイトルにしても、色んな解釈が出来るというか、この会話劇を観て何を感じるか、どう受け取るか、ということ。
そこが面白くもある。
逃げてきたのか、それともこれから逃げるのか。

ガミが再会する3人の女性たちの、それぞれの今の暮らし、それぞれの幸せ、それぞれの不満や困り事。
そして厄介な存在として描かれる男たち。

会話を通して見えてくるのは、ガミの自分自身への問いかけか、迷いか、それとも納得なのか。

長回しの会話の自然さとそのさりげなさの演出は、よく考えると凄いなと気付かされる。

私が特に好きだったのは、猫にまつわる会話の部分。
「泥棒猫」呼ばわりする男はほんとにいただけなかったけど、猫ちゃんの絶妙な演技(?)が最高だったな。

3人目に会った旧友ウジンが自分の夫をディスる場面も好きだった。

ラストも良かった。
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