薄

逃げた女の薄のレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
3.0
「それから」以来に見る2本目のホン・サンス作品。ホン・サンスの中では「それから」が1番分かりやすいと聞いていたけど、確かに比べるとこの作品は捉えどころがないと言うか掴みにくい映画だった。

ガミが会った友人・知人は皆、不幸とは言わないがある種の行き詰まりを感じる日々を過ごしていて、ガミ自身も自分はこのままで良いのかという疑問を抱えて旅を続けている(ように見える)。何処かムズムズすると言うか居心地が悪いと言うか。不安定な中で幸せとは何かと問いかけられる……となるとアニエス・ヴァルダの「幸福」と近い話なのかなって気がした。切れ味はあっちの方が鋭いけど。
薄