エイコ

スティール・レインのエイコのレビュー・感想・評価

スティール・レイン(2020年製作の映画)
1.0
個人的に韓国映画が大好きだけど、この映画は私の許容範囲を超えていた。
最低な映画だった。フィルマークスで1.0なんてつけたの初めて。

原題は「スティールレイン2」で、「鋼鉄の雨」の続編。
といっても、お話的には全くつながりはなし。
「鋼鉄の雨」はいい作品だった。日本人には知りえない南北朝鮮の複雑な関係が描かれていて。それ以前にこの監督が制作した「弁護人」も、ソン・ガンホの鳥肌が立つほどの素晴らしい演技も相まって、とても良かった。

だけどこの作品はひどすぎた。
パニックムービーにみせかけた、ただの前時代的なプロパガンダ映画だと思う。
まだ世界的には解決していない竹島=独島(ドクト)問題について、韓国側の意見が当然真実であるかのように語っていたり(韓国大統領がアメリカ大統領に説明して納得させたりしている)、各国を代表する登場人物の個性でその国のイメージを定義づけしたり(韓国と北朝鮮は良くて、アメリカと中国はひどく、日本はもはや鬼畜)。

私が一番無理だったのが、テログループが日本に核弾頭を打ち込もうと計画するくだり(もう誰も観なくていいと思うから書いちゃった)。
話の流れ上、打ち込む相手は日本じゃなくて全然いいのに、よりにもよって被爆国の日本が標的。
この監督は自国の歴史や国民は大切にするけれど、過去に加害者だった国の歴史や人々の痛みは踏みにじっても良いという思想の持ち主なんだと思った。

いやいや、単なるフィクションなんだからそんなに反応することないんじゃない…と思うかもしれないけど、監督の過去の作品が良かっただけに、落胆が大きかったのかもしれない。
ちなみにその部分を除いても、映画として微妙だった…。

本当に、超娯楽作品に政治的思想を攻撃的に入れ込むのはやめて欲しい。
そういった意味でも、敵が誰かを全く示さなかったトップガン・マーベリックは第一級のエンタメ作品だと思う(関係ないけど)!
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