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魚座どうしのmのレビュー・感想・評価

魚座どうし(2020年製作の映画)
4.7
機能不全に陥っている家庭で育つ子供達の心象風景を、禁欲的かつ躍動的に描く。その独特のトーンに惹かれる。
終盤の端折り方や先生の過剰なヒステリックさ、2人の邂逅の無説明な唐突さは乱暴過ぎるとも思うが、リアルさとはまた違う所を狙っている作品なのでそれもまあアリか。

とにかく移動ショットの数々が見事にキマッていて痺れる。カメラワーク・レンズ選択・ピン送りといったカメラ側のテクニックだけでなく、人物の動線設計・カメラワークとの連動という演出面も含めて。

「21世紀の女の子」の時とはまた全く違う作風を打ち出してきた山中瑶子監督、才能がある。
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