王道でわかりやすいストーリーなのにどうなるか読めないのがインド映画のいいところ。
後味はとてもよかった。
ラストは読めるけど泣いちゃう王道展開でテンション上がった。
ダンスのかっこよさと財力と人材の豊富さをこれでもか!と見せつけつつ、移民とインド/パキスタンの問題にも触れる良作。
あと2時間強という人へ勧めやすい上映時間。
インターセクショナリティについてもわかりやすく描かれていて、よかったな。ロンドンにおけるインド/パキスタン系へのマイクロアグレッションはあまり描かれてなかったけど、ロイヤルズのめちゃ背高い白人男性の無自覚な態度の中にそこが潜んでいて、意図的なんだろうな、と思った。
そして同じルーツのある人種でも、貧富の差はある。個々人の中にある特権性とマイノリティ性…よくできてたな。
RRRも世界中のインド人に向けて作られた作品だったけど、この作品もある意味でそうなのだろうな。
主人公が自己中系イケメンだったのだけど友人が「お前はどんな問題からも逃げる」ってサラッと言う感じが良かったな。日本とは違う心の距離感。
宗教が本質的に人間社会に求めるものを説教臭くなく伝えてくる作品でもあったと思う。
他者の役に立つことは神の名を唱えるのと同じ。すごくいい精神だと思った。