まつり

私ときどきレッサーパンダのまつりのレビュー・感想・評価

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
4.8
最高すぎる映画だった。ベスト5に入った。
終始号泣していて見てた。
こんなにわたしの物語、と思える母娘、自分は自分でいい映画、あるんだね。
出会って初めて気付く、こんな映画が欲しかった、となる作品。

エブエブといい、ようやっとアジア系母娘ストーリーが出てきたのは時代なのか、製作陣にやっとその属性の人たちが出てきたからか。
2002年に13歳という設定は監督と同じらしいが少し下の自分にも刺さりに刺さった。

母の過干渉、いわゆる毒親描写が前半は多くてなかなかキツくなりながら見たけど最後は号泣だった。
世代、時代もあって母娘の価値観、生きる道は大きく変わるけど、母は「愛」ゆえに娘を束縛し、また娘に自分を重ねて慈しんだり憎んだりしてしまうんだよな。
そして娘も根っこにあるのが「愛」だと知ってるしそう聞かされているから、なるべく母の望む「娘」であろうと、頑張る。無知な子供時代は頑張れる、でも「大人」になると、なんとなく、ズレていく…どんどんズレていく…そんな時の振る舞い方、感情の行先をレッサーパンダのもふもふと共に教えてくれる作品。最高だよ。

自分の経験に重なる部分もあり、泣くことしかできなかった。
「親の言う通りにならなくてもあなたは愛される娘だよ」って、こんな作品が10代の自分にあったなら…としみじみ思った。
好きなアーティストを簡単にdisるお母さん、つらいよな、でも説得する言葉もないよな、つらいなあ、とか、思って見てた。
あとお母さんに嘘ついちゃうシーンとか。つらかったなー。

そんな母も絶対悪ではなくて時代と連鎖の中で犠牲になって押しつぶされている部分があるし
儒教的な家族観(親を敬い、かぞくは最優先かつ無償で助け合う…)も全否定ではなく、おかしなところもあれば素敵なところもある、というメッセージが編み込まれていてよかった。
メイメイが家業がある小学生だったから、余計に自己投影してしまったな…まだ思い出し泣きができるくらい。

主人公の周囲の友達もサイコーにサイコーで、癒された。世界が広がり始める13歳に、あんなサイコーな友達がいるストーリーを見せてくれてありがとうな気持ち。

親戚のおばさんたちの登場シーンと、変身シーン、カッコ良すぎて泣いちゃった笑笑
アベンジャーズとか、セーラームーンみもあって、それをザ華僑のおばちゃん!!て人たちがやるということのエンパワメント性も感じた。私たちの物語。

あとはやっぱり推し!だね
推しを見た瞬間の涙ぶわってなる感じとか、オタク好きの人間としてはそこだけでも泣けちゃった。推しは活力で原動力で時に友情のきっかけにもなる。

そしてもふもふのレッサーパンダ。
誰もがレッサーパンダを持ってるかもしれない、なんならレッサーパンダみたいに感情が可視化されたらいいのにね。
感情を抑えに抑えて身体を壊したり、心身を病む人を大勢知っているからこそ、そう思った。その、感情の爆発はあなたの人生に必要なものよ、と言ってあげたくなった。
誰もに必要な映画なんじゃないか、これ。

あとお父さんの作るご飯が美味しそうすぎて、ピクサーの前に作った肉まんの赤ちゃんのやつ思い出した。美味しい中華食べたい。

とにかく最高だった。
わたしもああいうダチと肯定し合いながらたまごっち育てて生きていきたい。
なにがとは言わないけどラスト、たまごっちなのもよかったな。以前より向き合えるようになった感じ。

あのぴえん🥺顔は見慣れなかったけどなんか意図があったのかな!?そこだけ気になった!
まつり

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