なんだろう、ちょっと演劇っぽかったかな。すごく狭い空間の中で起きてるような気もした。話の運びははらはらする場面もあった。
登場人物はいろんな人がいたけど、よくある勧善懲悪とかでは無かった。
ナチスの描かれ方はけっこう感動モノみたいに感じた人も多いみたいだけど、俺は作り手の蔑視というか、かなり冷めた目線を感じた。中尉は徹頭徹尾悪人だし、交流を持った伍長もまた救われたかというと……。
とはいえその映画の根底に流れる寄る方のなさが悲しくて美しい。
それと終始映像美が素晴らしかった。ピレネー山脈の透き通るような空気と悠久の時間の中に培われた人のなりわいが丁寧に描かれていた。