おはうち

のぼる小寺さんのおはうちのレビュー・感想・評価

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)
-
努力している人間は美しい、努力をする姿に胸を打たれた人々が映される。必然的にボルダリングしている人間を見上げる事になる。この見上げる動作で、努力する人間への羨望の眼差しや、憧れや、恋心などを端的に表せるのが冴えている。スポーツの性質とドラマの採択が上手い。

ボルダリングをする人間は肉体を剥き出しにして運動を行う。肉体の輝きを収めたアイドル映画。運動する人物をメインに映さないで、壁を登って努力をする本人を見守る人々に視点なのが、実にアイドルを見守る構造だった。アイドルは人々にモチベーションを与えてくれるのだ。人間の迸る生命エネルギーは波及していき、他人は力を得られる。単純で冴えた構造。ひたすらこれ。

人の名前が出て進行する章立ての作風で『呪怨』みたいだった。名前の表記は、努力する人間に胸を打たれた人達の変化や行動を小分けにして整理する為だった。

小寺さんは、おごりがいがあるっつーシーンが好きです。
おはうち

おはうち