スガシュウヘイ

なぜ君は総理大臣になれないのかのスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

4.0
「49対51で決めたことも、決まった後には0対100になる。大切なのは、51を守ることではなく、49を背負うことだ」

カッコ良すぎる名言、頂きました!

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小川淳也という愚直な政治家の奮闘記。「政治家」を嫌う前に、この映画を見てほしい。無私の心で頑張っている政治家がここにいるから。


映画序盤で彼の二人の娘(5歳くらい)が、選挙活動中、両親に会えなくなるということで、号泣していた。
しかし、映画終盤、彼女たちが20歳になり、選挙をともに戦う姿は激アツだ。自転車をこぎ、一緒に頭を下げ、雨の中叫び、感極まって泣く。
むちゃくちゃ成長しとるがな泣。


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「小池百合子」や「細野豪志」のしたたかさを前に、迷い悩む。
誠実、正義感だけではダメなのか。
俺に足りないもの、、。


「希望の党」騒動。
鞍替えしたかのような印象の悪さに、商店街では罵声を浴びせられる。
政局に翻弄される地方野党議員の姿。
悩んで悩んで出した答えも、有権者が見るのはその「答え」だけ。
“49”の部分はあまり見てくれない。


香川1区、自民党デジタル大臣の平井卓也に、どうしても勝てない。
いつも比例復活。
比例復活組は、党内でも肩身が狭いそうだ。


彼は政治家には向いてないのか?
政治家として出世するには、時に濁った水も飲まなければならないのか?

地盤・看板・カバンなし!
熱意と理想だけで戦った若き弱小政治家17年の軌跡は、我々に政治のあり方を問うている。


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この映画を見終わった後、YouTubeで小川淳也の国会質問答弁を見ました。
整然とした内容、相手の労をねぎらう言葉、それでいて厳しい質問、聞き取りやすい声。
素晴らしい仕事をしていると思います。

批判ばかりの野党は好きじゃありませんが、小川淳也さんは好きになりました。

応援します。


公開:2020年
監督:大島新