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なぜ君は総理大臣になれないのかのIRIのレビュー・感想・評価

3.5
僕は未だに投票の力を信じてないし、政治が良くなるなんて希望を持って生きてないんだけど、世の中にはこんなに実直に政治の力を信じて、実行している人がいるのかと感心してしまった。

小川淳也は経歴が華やかなだけではなく、問題の本質を彼なりに見極め整理し、それを有権者にわかりやすく伝える頭の良さがあるように感じた。なぜこんな大変なことをするのかと僕は思ってしまうが、彼は政治を少しでも良くしなければならんと、そして政治は少しでも良くなると人生をかけて信じているからだと思う。

そのため、彼は世の中の問題に正面から対峙して対処しようと努力する。正面からというのは、政治という不正が吹き荒れる舞台で自分だけはとにかく潔白に問題だけを見つめて突き進もうとするのである。その姿は感動的で、選挙活動では家族や周りの人がかなり入れ込んでサポートしてくれている。

映画を観終わった頃には彼の努力がとにかく報われることを望んでいた。一方、世の中はやはり情動的な方に流されてしまうし今はそれがどんどん加速してしまい、論理的に世の中を良くするなんて不可能なんじゃないかという気持ちに溢れてしまった。
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