自分も過去に訪れたことがある岩手県一関市にある「ジャズ喫茶ベイシー」にスポットを当てたドキュメンタリー。とにかくこのドキュメンタリーに登場する店主の菅原正二氏がスタイリッシュで、文字通り「カッコいい」。早稲田大学のモダンジャズ研究会出身なのだが、一関に戻って50年、その年齢は推して知るべしだが、依然としてジャズという音楽が纏っていた超然としたスタイルを全身から発散している。「ベイシー」という店自体を知る意味でも興味深いドキュメンタリーだが、それをいまも独自のスタイルで守り続ける店主、菅原氏のヒューマンドキュメントでもある。
構成に関しては、いささかまとまりのつかない感じもしてしまうが、それもまたこのドキュメンタリーにはふさわしいかもしれない。著名人のコメントも多数登場するが、これは何故と頭を傾げるものもある。とはいえ、阿部薫やエルビン・ジョーンズなどのライブ映像が見られるのも貴重だ。また、機会あれば店を訪れたい、そんな気持ちにさせてくれる。
