タイトルに込められた想いが気になって鑑賞。
哀しい過去に、憤りの過去に、「その場にいれなかったことが悔しい」と言えるイノギとホリガイ。何て真っ直ぐと真摯なんだろうと思った。イノギに気付いてあげられなくてごめんと謝るホリガイに、他者に寄り添う優しさを、ホリガイが欲しかったモノをあげるイノギに、他者に寄り添い過ぎる優しさを感じた。
でもホリガイは、ヤスダの苦悩には真面目に向き合えなかった。誰でも無自覚な部分で、他者を傷付けていると思うと、優しさは平等でも絶対でもなく、優しくあろうとするところにも暴力性は潜んでいる･･･と思った。
ホリガイが児童福祉司を選択したきっかけには、ちょっと驚いた。そんな風に自分の心を摩耗させられるほどのめり込めるなんて、と。ホリガイが児童福祉司に向いているのかどうかは分からないけれど、でも、力強い横顔で今まさにノックせんとするホリガイが、『君は永遠にそいつらより若い』と言えるホリガイであれば、大丈夫なような気がした。
#100_2021
