就職先が決まっても、あとは卒業を待つだけでも、コンプレックスに押し潰されそうな彼らの日々。
誰もが痛みを抱えていて、気づいてやりたいと思うのにできなくて、そしてまた心が痛む。それでも寄り添ってくれる人はきっといる。
生きている限り、あなたはきっと大丈夫。
原作小説がとても好きで観に行ったのだけど、登場人物たちの人間関係がシンプルになっていたり、取捨選択されていたりして、原作のある種群像劇的な展開が好きだった身としてはそっか〜と思うこともあったけど、ホリガイもイノギさんも、そうだよなあきっとこういう人なんだわ、と妙に納得した。
イノギさんが特に良かったと思う。小説から出てきたイノギさんだと思った。
私は原作を読んだだけではイノギさんの痛みに気づききれなかったところがあったんだと映画を観て気づいた。夜が長い、どこかふわふわしたイノギさんの、そうせずにはいられない痛み。
また原作を読み返したくなる映画だった。
