misty

ある男のmistyのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.3
すごくよかった。原作未読ながらも映画単体でとても満足度高い。他人の名前で生きることでしか救われない人生、生き直したあとで出会った人たちの新しい関係やそれでも切れなかった関係、民族や出自、多くのテーマが調和して織り上げられている。妻夫木聡の底の見えなさと窪田正孝の切実さ。

『万引き家族』でケイト・ブランシェットが絶賛した安藤サクラの泣き方、今作もお見事すぎてまじで感動してしまう ケイト・ブランシェットはこれ観ても安藤サクラを絶賛するに違いない 本当に彼女は彼女しかいない

最後まで観れば妻夫木聡がなぜこんな描かれ方をされているのかがわかるようになっている仕組みがすごい 原作はどんな書き方されてるのか気になってしまうしでもこれは映画でしかできない見せ方かもしれないなとも思う あえて心情を追わずにいて彼をいかに立ち上がらせるかを実験したようでもあった

平野啓一郎の熱心なファンというわけでもないがこの物語は彼の分人思想がきれいに表された彼の物語だなと思いました 積み上がってる本にちょっと目処がついたら原作も買おー文庫になってるの気づかなかったありがたい
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