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秘密の森の、その向こうのmistyのレビュー・感想・評価

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.5
幼い日、同い年の母に会えたなら、私は仲良くできるだろうか。
対等な立場で母と見つめ合うとき、私は何を言うだろうか。
私の悲しみや孤独は彼女と共有できるだろうか、私の言葉は彼女の悲しみを癒すだろうか。
かつて私と出会ったことを、大人になった母は思い出すだろうか。
だけどもし忘れてしまっても、溶け合った時間の中で私は母の中にあり、母は私の中にあるのだろう。
時間がうねり丸を描くように進んでくれるのなら、言えなかったさよならもまた、この体を、母の体を、巡り巡っていつか届くこともあるのだろう。
儚くも忘れ得ぬ時間、きっと心に揺蕩い続ける作品になる。

そんなことを考えながらコーヒーを飲んだ ネリーとマリオンを演じる双子の姉妹が時折本当に見分けがつかなくなること、それもまた時間は体に溶け合うものだということ、二人が対等であると同時に個人同士であることの証明であるんだろうなと思っている 画面は変わらず端から端まで美しかった
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