味噌のカツオ

セイント・フランシスの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
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正直 前半は我々日本人にはわかりにくい部分もあって。
そもそも「ナニーって何?」という点から始まって。カトリック教徒という設定だったり同性婚もそうだし、アメリカの世相やライフスタイルを肌感覚で掴めていない分、少々乗り切れない展開だったとは思います。

やがて生理、妊娠、中絶などについて、赤裸々で生々しく描かれて。それらはより“女性”に届くものでありますが、もちろん男性も関わってこその事でもあるし。

いろんな意味で登場人物たちが翻弄されていく感じはあるけれど、それが授乳問題(女の敵は女?)を経て動き出すというか。

何がしかを本音で語り合ったり、手を差し伸べたりすることで、一歩先に進めたり、より近づけるものであると。
そんなことを感じさせる物語になっていました。

アメリカの中でもいろんな思想があったり、信仰があったり。そして個人の考え方の違いもあって。
それらがぶつかり合ったりさらけ出したりすることで、すべてが上手くいくことはないだろうけど。何かが少し変わる気はするかな。

ちなみに今作の脚本を担当したのは、主人公ブリジットを演じたケリー・オサリヴァンで。監督のアレックス・トンプソンは私生活でのパートナーだそうです。

そんなオサリヴァン自身の体験を元ネタとしているエピソードも多いそうなので、よりリアルに響く作品になっていたのかもしれません。
そのうえで、ライトでユーモアも含みつつ。事前の期待以上に深く刺さる作品でありました。
味噌のカツオ

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