れもん

東京リベンジャーズのれもんのレビュー・感想・評価

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)
3.0
個人的に「2021年の国内実写映画興行収入No.1の映画」として観ると微妙な出来の気はしたが、シンプルに「漫画『東京卍リベンジャーズ』を実写化した映画」として観ればそこそこの出来だと思った。
ちなみに、原作の漫画もアニメも全話履修済なくらいには好き。

原作は確かに面白いのだけどキャラクターのかっこよさやセリフの勢いでリアリティや整合性は薙ぎ倒していくスタイルなので、実写化するとなればそのあたりのバランスをどう取るかが課題だったと思う。
そして、そういった課題に対する努力は伝わってくる映画ではあった。

ただ、主人公・タケミチがタイムリープした先の年齢が中学生から高校生へ変更されていたのは、恐らくそういった努力の一環だったとは思うのだけど、それによって「パーちんが長内にボコられるくだり」や「タケミチとヒナが同じ学校に通っている設定」に違和感が生まれてしまっていたように思う。

前者に関しては、東京卍会はいくら強くても中学生のチームであり愛美愛主は高校生のチームである、という前提が無いとパーちんがボコられる意味合いが違ってくると思うし、基本的に映画の東京卍会は原作の東京卍会よりも弱そうに見えたのが残念だった。

後者に関しては、公立の中学校であれば優等生とヤンキーが同じ学校に通っているというのもよくあることだが、高校となるとやはり優等生とヤンキーが同じ学校に通っているのはありえないことで、二人が同じ学校に通っていることでヒナのキャラクターが「正義感の強い優等生」ではなく「根性の座ったギャル」みたいになっていた気がする。

また、演じた人間によって原作と映画とでキャラクターのイメージが違ってしまうというのは実写化あるあるだけど、この映画において特にそういう傾向が強かったのがヒナとドラケンかな。
ヒナは今田美桜、ドラケンは山田裕貴のイメージに引っ張られて、原作のキャラクターとは別モノ感があった。

しかし、アッくんを磯村勇斗、ハンマを清水尋也に演じさせたキャスティングセンスは素晴らしい。
磯村勇斗のアッくんは正直原作のアッくんそのままというわけではない気がしたけど、高校生のアッくんと反社になったアッくんの表情と雰囲気の切り替えが上手くて、反社のアッくんを見た瞬間に闇堕ちしているのが伝わってくる感じが良かった。
清水尋也のハンマはもう原作のハンマそのまま。
あまりにも出番が無さすぎたけど。笑

ハッピーエンドっぽくまとめているけど、原作どおりならこのままハッピーエンドにはならない。
この映画単体で綺麗に終わるように上手くまとめたのは良いと思うけど。

【2022.08.12.鑑賞】
【2022.09.01.レビュー編集】
【2022.09.01.スコア訂正3.5→3.0】
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