内気で友達が少ない女性（シボーン）が主人公という時点で好感が持てる（要出典）が、大学院の仲間や教授も皆親切で利他的。安易に対立構造を作らず、この手のパニックホラーには珍しい自然な人物造形が船に襲い来る深海生物の恐怖を引き立たせている。
最初は触手しか姿を現さないモンスターのミステリアスさも魅力的で、船内にろ過された水を送るタンク（？）に侵入して人間に寄生するという設定も妙なリアリティがあって恐ろしい。
どうすれば対処できるのか、この生物は一体何なのか。至極真面目な展開は"個性と面白みこそない"ものの、特に何もないだけで特別出来が悪いわけではない……。
