保守的な風土の地方、キツイな~って感じで始まるのに、どんどんそこの解像度を高めていってくれる映画。
今まで日本が経済成長を遂げてきた裏には戦争特需や搾取があり、同時に人間の命や人権を蔑ろにしながらマジョリティだけが富んでいく歴史もあった。
特攻を命令した人間は戦後も生き延び、都心は地方の、マジョリティはマイノリティの血を吸いながら特権を享受している。
演出……というか作劇はよくある日本アニメのそれなので実写映画と比べてしまうとどうしても気になってしまうところはあるけど、虐げられた死者が生者に復讐するのは現実世界で果たせなかった無念の思いを慮っていて救いがあるし、鬼太郎って元々反戦だし反資本主義だった(『その後のゲゲゲの鬼太郎』だと鬼太郎が殆どヒッピーになってるし)ことを思い出させてくれる良質な作品。