ミシンそば

みんなのヴァカンスのミシンそばのレビュー・感想・評価

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)
3.8
シネマ203で鑑賞。

映画祭で観た「女っ気なし」を拡大したような、陰キャ流の楽しみ方上等なヴァカンス映画。
勝手に海だとばっか思ってたけど舞台となるディーって山間の田舎町で、河でヴァカンスやってんのね。
ジャケ写明らかに海じゃないのに海だと思い込ませられるのは南仏に沁み付いたイメージゆえだろうか。

フェリックスの横柄さとかには最初はイラつくし、エドゥアールについても気の毒だなあって思ってはいたけど、着いたら着いたでみんな結構楽しんだりしてて、いつもながら日本人と欧州人のヴァカンスの楽しみ方って大分違うんだなって、毎回思わされる次第だ。
(旅先で弱虫ペダル並みのガチ自転車こぎとか、日本人は絶対しねえもん)。

フェリックスは横柄でズカズカ行くタイプだがその実繊細でめっちゃ傷つきやすい。
その友人シェリフ(なぜ「おおかみこどもの雨と雪」のシャツを着ているんだろう…?)と、
相乗りアプリで騙されて彼らを乗せたエドゥアール(肌めっちゃ白すぎてプールでそれを曝した時「うわ白っ」ってちょっと思った)、
この二人は単純に不器用で自分に自信がないって感じだったのだろうか。
ワチャワチャと、町と川とレジャー施設を廻って、色々な諍いとかもあっての話の流れだが、結構楽しめた。
誰かが明確に不幸になるような流れではなかったのも、ギヨーム・ブラックの優しいところなのだろうか。