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スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のkochabのレビュー・感想・評価

3.5
映画「最強のふたり」監督最新作、という触れ込みを聞いて早速映画館へと行ってきました。

しかし、実話を基にした映画、というのはやはり、というべきか二通りあって、一つは物語風に多少アレンジを加えて楽しさを増す方法。そしてもう一つはリアリティを求めてドキュメンタリータッチに描く方法。「最強のふたり」を前者とするならば、本作は後者であると言って良いと思います。多分、「最強の~」が好きだから来場した観客は多分そのギャップに飲まれてしまうのではないでしょうか?

物語としては政府未認可の自閉症ケア施設でのお話ですが、一言一言に重みがあります。筆者なりに気になったところをを抜粋するならば、
・他のケア施設は受け入れる患者を選んでいる。
・自閉症、障害が重くなればなるほど政府の支援は届かない。
・母「(子供が自立する前に)私が死ぬ時は、この子も一緒に連れて行く」
といったセリフが筆者にとっては「観客に刺さる言葉」かと思います。

それくらい政府にも実は支援しきれないケア施設を運営する二人を中心に支援者の話なども交えながら自閉症患者の知られざる真実を広める内容にもなっていると思います。

もちろん主演の方々など、そして自閉症に対する理解も深まる、と思いますが、邦題からすると先ほど述べた「娯楽性」が高いようにも思えます。しかし実は社会派の本作。そのギャップにはあまりドキュメンタリー、社会派映画に慣れていないと面食らってしまうかも?と思いました。
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