ぐら

空白のぐらのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
3.5
1番誰が悪いとかではない
みんな少しずつ悪いところがあって、方向の違うかわいそうな部分があって、分かりやすく1人の敵がいなくて、そのポジションが空白
みんな辛いのにそれぞれが誰を恨んでいいのか分からない、その状況が見ていて辛い
強いて言うならみんなの敵はメディアだったかな、メディアって1人の人じゃなくて形のない相手で対処ができないところが空白なのかな

最近メディアが悪いって結論に行き着く、登場人物全員がかわいそうな映画多い気がする、特に邦画(めちゃ個人的感覚)
わかるけどさ、わかるんだけど、映画とか基本フィクションな世界の中で、そのリアリティは見ていてきついなと思う
現実世界ってわかりやすい敵ってあんまいなくて(めちゃ個人的感覚)、みんなちょっとずつ悪くて、みんなちょっとずつかわいそうで、好きではないけど同情しちゃうくらいの人はたくさんいる感じ
分かりやすくすごく悪い人がいた方が映画としては見やすいのかも、と思った。
悪いところとかわいそうなところが一緒にある人を見ていると、その人を嫌だなと思う気持ちが出てきちゃうけど、かわいそうな部分もあるから半分同情してしまって、その人を嫌だなと思ってしまう自分を嫌だなと思ってしまったりもして、感情が忙しくなってしまう。

邦画ってただでさえ自分の世界に近くてリアルで、映画との距離が取りづらくて楽しみにくいなと最近感じがちかも。
洋画だったりアニメ映画だったり、設定があり得ない話だったりする方が映画の世界との距離をちゃんと取れて、作品として見れるから好きなのかなと再認識した
ぐら

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