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青くて痛くて脆いのyusukepacinoのネタバレレビュー・内容・結末

青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

『君の膵臓をたべたい』の住野よるの同名小説が原作。『君の膵臓をたべたい』のようなものを期待して本作を観ると肩透かしを食らうに違いない。
1人で人と関わらずに過ごす田端楓(吉沢亮)と授業で世界平和や暴力撲滅を質問したりして1人浮く秋好寿乃(杉咲花)。大学に入学した2人が偶然出会い、女が掲げる世界は変えられるやなりたい自分になろうといった青臭いことをモットーにしたサークル、秘密結社モアイを設立する。2人で理想に向かって突き進んでいるかにみえたが大学院生の男(江本佑)が加入したことで急拡大するサークルと失われていく目的や目標。そんな中で田端は秋好に避けられていると感じサークルから離れていく。

中盤からの復讐劇によるネット暴力の危険性。そこからひたすら痛さを見せられる。後半の教室での吉沢亮と杉咲花の対峙によるお互いの感情のぶつけ合いは緊張感があって好きだった。あんな端正な顔立ちの吉沢亮が気持ち悪いと言われるとは。

人との関わり合いや関係性、傷つくことを知らない人間の危うさや脆さ。話し合うことの大切さ。理想の自分とは何なのか。いろんな意味で個人的にはなかなか衝撃を受けた。
簡単には世界を変えることは出来ない。何もない日常が流れていくだけ。

パラパラ漫画で唯一ほっこりさせられたな。


2020年映画館鑑賞34本目。
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