じぇいらふ

街の灯のじぇいらふのレビュー・感想・評価

街の灯(1931年製作の映画)
5.0
🎩🦯フォーエヴァー・チャップリンは制覇するぞシリーズ⑨💐🥊

ユナイテッド・アーティストの傑作長編時代に突入してますが、ここら辺から後はもう名作しかなくて、ハードルが上がりまくってますが、それを楽々越えてきてる傑作群。
『街の灯』はチャップリンベストにあげる人も多い名作。名作なんだけど結構ほろ苦さ強めのイメージでそうそう再見することがなく、今回本当に何十年ぶりに見る。なのでほとんど忘れていた、、、いやこれ本当に深い作品ですよね。ある意味チャップリン作品のターニングポイントかも。よかった👍👍👍👍👍トーキー時代のこだわりのサイレント作品。

🎞️都会にタイトル 「平和と繁栄の記念碑を」 変な声の演説 除幕式 幕を引いたら銅像に我らがチャーリー居眠り💤笑〜はじまり

📖浮浪者チャーリーは、街で盲目の花売り💐と出会う。彼は少女に恋をするが、彼女は彼を金持ちの親切な方と勘違いしてしまう。ある時川辺で自殺しようとした泥酔状態の大富豪を助けたチャーリー。命の恩人と仲良く豪邸に招かれるも、朝シラフに戻るとすっかり忘れてチャーリーを追い出してしまう。花売りの少女は、体の悪い母親と二人暮らしで貧乏のため、家賃滞納で今にも追い出されそう。チャーリーは彼女を救うため、、、お金を工面しようとボクシング🥊の試合に挑む。。。というおはなし

基本どんなに哀愁やら詩的世界を織り込んでも、基本コメディ作品であることを軸にしていたチャップリン作品が、この作品では盲目の少女を助けるいわゆる足長おじさんの献身的行動ぶりに軸をおいており、コメディシーンがメインではない感じになってます(面白いんだけどね。レストランシーン最高笑)。

大富豪が泥酔すると友達なのに、シラフだと冷たいの、ある意味夢と現実みたいな、このラストシーンにも繋がる残酷さがテーマなのね。

有名なボクシングシーンはやっぱり面白い笑。ボクシングなのにあの格好、帽子でリング上がるのいいですよね。『黄金狂時代』の雪山であの格好笑でもそうですが、トレードマークはどんなシュチュエーションでも変えないという徹底ぶりが、面白さ倍増でもある。あの執拗なまでの、レフェリーの後ろで右往左往するの、簡単に見ちゃうけど撮影絶対大変だよね、合わせるの。

この作品制作に2年くらいかかってる。最初の少女との出会い3分くらいのシーンで342回のNGとか常軌を逸した完璧主義。チャップリンが映画界で特別な存在だから出来たとも言える。色々、ヒロイン役のヴァージニア・チェリルと撮影上手くいかなくて一度解雇してたらしいって、、、そんな状態でもあんな素晴らしいシーンの傑作ができあがる映画の不思議。

そしてやっぱり街の灯といえば、、、ラストシーンの解釈ですが、、、(ネタバレですので嫌な方は飛ばしてください😆)

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ハッピーエンドか?バッドエンドか?で結構論争になるんですが、久々見た感想としては、、、ビターズエンドかなあと。ほろ苦いエンド。
普通に考えると、直前まで助けてくれた恩人はお金持ちの王子様だと思っていたわけだから、浮浪者チャーリーを見たら、イメージ打ち砕かれてショックが普通だと思うし、そういう困惑の顔に見えましたね。

そしてチャーリーの顔、、、あれが一番謎なんですが、なんとも再会して嬉しいような、自分の正体がバレたことがはずかしいような、、、なんともいえない潤んだ目でばっさりTHEEND。観客置いてけぼり。ここら辺新しい時代の映画に突入してる感じですね。今までの作品なら、良かれ悪しかれ一応結果どうなったか?まで描くのですが、それを描かない。観客に委ねる感じですね。

このシーンの前の、目が治って、綺麗な花屋で働く少女のなんともいきいきと都会で働く女性に成長した感がいいですよね。一方チャーリーは出所して、子供にばかにされるボロボロ感。時の残酷。
そういう状況でみると、ビターズエンドって感じなのですが、、、

、、、これ配信動画結構出てるので、もう一度ラストシーン見直したんです。そうしたら、あの恩人とわかっての ”YOU?" の後のやりとりで、困惑しながらもチャーリーの手を握り直して微笑んでるんですよね。つまりは困惑したけど、事実を受け入れて改めて感謝の気持ちを表してるんです。そういう意味ではビターだけど少しハッピーな感じに印象変わりました。ここは夢見る少女が大人になったことでもあります。それに対するチャーリーの表情も恥ずかしさはあっても少し安堵にも見えたりします。

。。。まあこれは自分の解釈ですが、何度か見ると見方変わる深い作品ですよね。そういう意味でチャップリン作品の間違いなく代表作であり、その後のテーマ性の強い主張のある作品に繋がっていくターニングポイントの重要作といえますね。