このレビューはネタバレを含みます
嘔吐がある映画にハズレなしと言うけれど、本作もとても良かった。
籠の鳥として萎縮して貼り付いた笑顔しかできなかった主人公ハンターが、異物を飲み込み続けた末に最も大きな異物を排出し自由になったその表情は晴々としていて、その先の人生はきっと明るいと思わせてくれた。ハンターが定点カメラの前から去っていく演出も、彼女が観客の目からも解き放たれたようだった。
また、夫や義父母から物扱いされる女性を描くだけでなく、彼女を唯一肯定してくれたのが、実は男性優位社会の被害者となっていた実父(男性)というのも良い。
そして美しきヘイリーベネットが最高。感情の繊細な演じ分けが素晴らしい。映像も綺麗で、グロテスクなシーンすら美しかった。