このレビューはネタバレを含みます
『シング・ア・ソング!〜笑顔を咲かす歌 声〜』
【あらすじ】
愛する人を戦地に送り出し、最悪の知らせが届くことを恐れながらイギリス軍基地に暮らす軍人の妻たち。大佐の妻ケイト(クリスティン・スコット・トーマス)は、そんな女性たちを元気づけ、共に苦難を乗り越えるための努力を惜しまないが、その熱意は空回りするばかり。そんな中、何気なく始めた“合唱”に、多くの女性達が笑顔を見せ始める。女性達のまとめ役リサ(シャロン・ホーガン)も、かつて慣れ親しんだキーボード・ピアノをガレージから引っ張り出し、積極的に関わり始める。
しかし、ケイトとリサは方針の違いで衝突を繰り返し、集ったメンバーたちも、美しい声を持っているのに人前で歌えなかったり、合唱を楽しむあまり音程を無視して歌ったりと、心も歌声もてんでバラバラ。担当将校も耳を覆う有り様だったが、心情を吐露するように共に歌い続けるうちに、同じ気持ちを持つ仲間として互いを認めていく。心が一つになっていくにつれ、次第に美しい歌声を響かせるようになった合唱団のもとに、ある日、毎年大規模に行われる戦没者追悼イベントのステージへの招待状が届く。思いがけない大舞台に浮足立つ妻たちだったが、そんな彼女たちの元に舞い込んだのは、恐れていた最悪の知らせだった——
https://singasong-movie.jpより引用。
【監督・脚本】
監督: ピーター・カッタネオ
脚本:レイチェル・タナード、ロザンヌ・フリン
【キャスト】
クリスティン・スコット・トーマス
シャロン・ホーガン
グレッグ・ワイズ
ジェイソン・フレミング 他
【感想】
評価は3.8とすごく高いわけではないが、あらすじ等を見てその以外な目線に寄り添った作品に興味を持ち鑑賞に至った。評価の割には、かなり面白いという感想を持った。
“軍基地で暮らす、軍隊の夫を持つ妻たちの物語“その視点から考えたことがなった。劇中では、夫が紛争地帯に駆り出された妻たちは、深夜問わずに来る軍における報告に怯えている姿は、観てて「よく妻やってられるなぁ」と真摯に感じた。
また、少し難癖をつけるとしたら、
①合唱団における、口パク女は歌うようになったの?
②ケイトの亡き息子とその車との関係性は?
③ケイトの買い物依存症をただのストレスで終わらせるのではなく、もう少し今を持たせて欲しかった。
この3点だろうか。
難癖はさておき、大佐の妻ケイトしかり、リサしかり、キャラクターにそれぞれ個性がしっかりもあり、真面目な内容とは裏腹にかなり過激な笑ってしまう下ネタなどもしっかり挟んできていた。
最初は、めんどくさい頑固な大佐の妻ケイトが、リサや他のメンバーと合唱を通じて打ち解けあっていく姿を描く中にも、楽しく合唱に取り組んでる際、いつ電話が鳴り夫の戦死を報告されるかもしれないという恐怖に手を引かれながらも、それに耐えて合唱という新しい共通事項に向き合おうとしてる、そんな嫌われ者も好かれ者もみんな“戦争"で通じ合っている悲惨さの中にある幸せの描写が滲み出ていた。
この物語は実写に基づいた物語。彼女たちのモットーは『共に強く』だそうだ、、。