eulogist2001

ハッピー・オールド・イヤーのeulogist2001のレビュー・感想・評価

3.8
佳作。淡々とした描写で心の動きを丁寧に描く。役者の表情のアップが多用されているが、その演技も素晴らしい。

モノを捨てることがけして過去の想い出や人間関係を忘れ去る事には繋がらない。モノはモノとしてだけではなく必ず感情や記憶、経験や欲望も詰まってる。モノに対する執着は物欲よりも心の空白の穴埋め、代償行為でもあるだろう。

感情の表出の蓄積やシンボルを捨てる事。痛みを伴わないはずはない。愛しいヒトとのモノであればなおさらだ。

しかし忘れる事でしか前に進めない過去もある。そうしたケースには断捨離はやはり手段としては有効なのかもしれない。

ジーン役のチュティモン。「バッド・ジーニアス」も良かったが大人になった本作の彼女もまたすばらしい。
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