スガシュウヘイ

スカイ・クロラ The Sky Crawlersのスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

3.5
「ショーとしての戦争をさせるために作り出された永遠の子ども」
がメインテーマ。

森博嗣の同名小説を映画化。
小説の儚さを上手く引き出していたと思います。



アニメ映画だが、戦闘機はポリゴンで描かれており、
空の色、雲や波の形なども、かなり実写に近い描写。
だから、主人公たちの暮らす世界も現実のものではないかと
錯覚できるほどの作り。

余計な説明をしない、説明のための説明をしない、
というのも小説同様で、
初見では少しわかりにくい所もあったかもしれないが、
それも世界観を守っているな、と好感持てました。



ラストに登場したヒイラギという男も
カンナミと同じくマッチ棒を折る癖を持っています。
ということは、
ジンロウも同じ癖を持っていたはず。

クサナギが、折れたマッチ棒を見つけて
切ない表情を浮かべていたのは、
ジンロウの事を思い浮かべていたからなのか、
というのが最後にわかる、
良い伏線になっています。

この切ない遺伝の設定は
たしか小説にはなかった気がする。


監督:押井守